【6月24日 AFP】英ロックバンド、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の代表曲「天国への階段(Stairway To Heaven)」のイントロ部分が盗作だとして訴えられた裁判で、米ロサンゼルス(Los Angeles)連邦地裁の陪審は23日、盗作ではないとの評決を下した。

 訴えていたのは、1960年代に活動していたロサンゼルスの5人組サイケデリックバンド「スピリット(Spirit)」の関係者。「天国への階段」(1971年発表)のメランコリックなギターによるイントロは、それより4年前にリリースされたスピリットのデビューアルバムのインスト曲「トーラス(Taurus)」の盗用だとして訴え出ていた。

 これに対し「天国への階段」の作詞作曲を担当したツェッペリンのフロントマンのロバート・プラント(Robert Plant、67)とギタリストのジミー・ペイジ(Jimmy Page、72)は、盗作を否定していた。

 男性4人女性4人から成るロサンゼルス地裁の陪審団は、2つの曲の間に、原告側のスピリットの著作権侵害に当たるほどの充分な類似性があることを示す証拠はないと判断した。

 この日、陪審団は判事に対し、比較のために「トーラス」と「天国への階段」をそれぞれアコースティックギターの演奏で聴きたいと要請。試聴後、間もなく全員一致の評決に至った。

 7日間にわたった口頭弁論に全日出席したプラントとペイジは、評決の結果に「我々にとっては45年間、自明のことが確認され、『天国への階段』に対する疑惑に終止符が打たれた」として、陪審団に感謝を述べた。

 一方、スピリット側のフランシス・アレクザンダー・マロフィ(Francis Alexander Malofiy)弁護士は記者団に、原告と訴訟チームは「失望し憤慨している」と述べた。さらに陪審団が聴くことを許可されたのが、アルバムに録音されたそれぞれの曲のオリジナル演奏ではなく、アコースティックギターによる演奏だったことについて「陪審団は(プラントとペイジが聴いたアルバム・バージョンは)聴いていない」と批判した。ただし、控訴を含めた今後の措置については「少しずつ」決定して行くと答えた。(c)AFP/Frankie TAGGART