【6月27日 AFP】ピート・サンプラス(Pete Sampras)を破る金星を挙げ、その名を世界に知らしめてから15年。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で通算7度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)がキャリアの岐路に立ち、自信も揺らいだ状態でオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)に戻ってくる。

 現在34歳のフェデラーは、四大大会(グランドスラム)優勝17回の実績を誇るものの、2012年のウィンブルドン以降はグランドスラムのタイトルから遠ざかっている。

 そしてフェデラーの2016年は、間違いなくキャリアで最も厳しいシーズンになっている。けがで全仏オープン(French Open 2016)を欠場し、1999年から続いていた四大大会の連続出場が65で途切れただけでなく、今年はまだツアー大会の優勝が一度もない。ツアー通算88勝を挙げているフェデラーが、これだけ長い間タイトルから遠ざかるのは、2000年以降では初めてのことだ。

 圧倒的な成績を残してきた得意のグラスコートでも、メルセデス・カップ(MercedesCup 2016)、ゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2016)と立て続けに準決勝敗退に終わり、特に後者ではアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に敗戦。最近10年で初めて10代の選手に屈したのには、時代の変化を感じずにはいられなかった。

 それでもフェデラーは、勝者然とした姿勢を崩さない。今年のウィンブルドンで自身8度目となる大会制覇を成し遂げれば、フェデラーは31歳11か月で大会を制したアーサー・アッシュ(Arthur Ashe)氏を抜き、ウィンブルドンの最年長優勝選手になる(オープン化以降)。

 フェデラーは「もう少し動けるようになれば、ベースラインでの試合運びも改善すると思う。そうなれば重要なポイントを落とす回数も減るだろう。リターンゲームでもそうだし、サービスゲームももっと楽に進められるはずだ」と話し、「とはいえ、ここまでは順調だし、満足している。ウィンブルドンに向けて十分な準備ができたと感じている」と語った。

 フェデラーは実際、過去2年のウィンブルドンで決勝まで勝ち進み、健在ぶりを証明することで応援するファン、批判的な人たちの両方を驚かせてきた。