【6月22日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は21日、8月に行われるリオデジャネイロ五輪に出場する可能性のあるすべてのロシア人選手、ケニア人選手に追加検査を義務付けると発表した。両国の反ドーピングプログラムの実効性に疑いがあるためだという。

 この日、五輪での薬物使用防止を議題とする特別会合を開催したIOCは、両国の選手が「無実であるとの想定に深刻な疑問が生じている」と話した。

 IOCの代表団が両国の姿勢を糾弾した背景には、8月5日の五輪開幕が近づくなかでの異常なドーピングスキャンダルがあり、IOCはそうした状況をなんとか抑える方法を模索している。

 ロシアについては、国家ぐるみの大規模な薬物違反が明るみに出たため、国際陸上連盟(IAAF)が先週、陸上競技選手の五輪出場を認めないとの決定を下した。

 ただしIAAFは、潔白が証明された選手は個人資格での五輪出場を認めるとも発表しており、ロシアの陸上選手に完全に扉を閉ざしたわけではない。

 棒高跳びのスター選手で、五輪で2度、世界陸上で3度の金メダルを獲得しているエレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva)も、当初は出場不可への異議をスポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てる姿勢を見せていたが、この日は希望を口にした。

「今日は、かすかに希望が残されていることを認めようと思います。完全についえたわけではありません。昨日は絶望しましたが、今日はすごく前向きな気持ちになっています」

 また、出場が認められたロシアの選手については、IAAFは中立旗、もしくは五輪旗の下で出場させてはどうかと提案していたが、これはIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に却下されている。

 会合を終えた会長は、IAAFの許可が下りたロシアの選手はすべて「ロシア五輪委員会(ROC)のチームの一員として出場する」と話した。(c)AFP/Ben Simon