中国には、絶滅危惧種以外の動物を保護する法律は存在しない。抗議は玉林の祭りに集中しているが、実は中国南部では国際社会の目に触れることなく1年中、犬が殺され、消費されている。

 湿度が高い街中に放置された工場跡が点在する玉林では、露天商たちが死んだ犬をつるし、そこから直接肉をそぎ切って、背の低いテーブルの周りに集まりビールを飲む男たちに売っている光景もみられる。都市部の市場には犬肉の専用売り場があり、料理店の広告には毛並みの良いレトリバーの写真が使われている。

 市場調査会社ユーロモニター(Euromonitor)によると、中国では過去10年間にペットを飼う家庭が急増し、今では3000万世帯近くが犬を飼っているという。それでも犬肉食の風習は依然残っている。各地の食肉処理場へ調査員を派遣している動物愛護団体「国際人道協会(HSI)」は、玉林では1日に平均300匹が殺されていると推算している。(c)AFP/Benjamin CARLSON