玉林の犬愛好家でさえ、抗議運動の逆効果を嘆いている。犬の保護施設を新設したある男性は、匿名で取材に応じ「以前は、敵は犬肉好きの人々だと思っていた。だが今では、外部の活動家が敵だと私たちは考えている」と話した。

 この男性は犬肉の取引に断固反対し、市場で救ったレトリバーを引き取って飼っているが、国外からの抗議は「妨害行為」でしかなく、逆に地元は自分たちの伝統を守ろうと躍起になってしまうと指摘した。

 男性によると、住民たちは郷土愛と伝統への誇りから、変化を訴えるよそ者が圧力をかけているという見方をしがちだという。「外国人が中国にやって来て、中国にはこんな問題やあんな問題があると言い出すと、中国人は腹を立てて聞く耳を持たなくなる」

 保護施設の運営者たちは殺される犬を減らすために、犬は食肉にするよりもペットにした方が、ペットウエアやグッズなどでより多くの利益を生み出せることを示そうとペットセンターを作っている。

 米カリフォルニア(California)に拠点を置く団体「デュオデュオ(Duo Duo)」は、犬肉祭りに反対する250万人の署名を集めた。同団体の設立者で台湾系米国人のアンドレア・ガン(Andrea Gung)さんは、現地であまりの反発を受けて、方向転換せざるを得なかったという。訪れた昨年の祭りでは、誰もがガンさんたちを嫌った。現地で動物保護活動家だと名乗ることはもうできないという。

 デュオデュオでは、次の世代が犬肉食を自然に拒否するようになってほしいという思いから、現在は学校での動物愛護プログラムに資金提供を行っているという。