■名店多すぎで票割れ?

 これに対し「世界のレストラン・ベスト50」の編集者、ウィリアム・ドリュー(William Drew)氏はAFPの取材に答え「ベスト50に関して問題があるのはフランスの方」で、投票はコンサルタント会社デロイト(Deloitte)に監視されていると述べた。

 ドリュー氏は、フランスに関する今年の結果は「われわれを含め、多くの人にとって驚きだった」と述べつつ「だが、フランスのレストランが突然悪くなったわけではない。ランクインするには多くの票が必要」で、フランスには良いレストランがあまりにも多いため「票が割れてしまったのだろう」と語った。さらにドリュー氏は、スポンサーが結果を左右できるという主張に対し「彼らは観光局とも、われわれがイベントを催すところとも全く関係ない」と反論した。

 だが、優勝した当のボットゥーラ氏も「ル・シャトーブリアン(Le Chateaubriand)やアストランス(L'Astrance)といった、重要性と独創性が世界的に認められているパリのレストランが入っていないのは信じ難い」と述べている。

 議論はあるが、ペトリーニ氏はボットゥーラ氏は優勝にふさわしいと述べており、この選考結果は意外な方面…フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領の支持も勝ち取っているようだ。ボットゥーラ氏が伊紙レプブリカ(La Repubblica)に語ったところによれば昨年、オステリア・フランチェスカーナでマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)伊首相と食事を共にしたオランド大統領は「イタリアは2、フランスは0。これは料理じゃない、芸術だ」と語ったという。(c)AFP/Jennie MATTHEW and Fiachra GIBBONS in Paris