【6月14日 AFP】中米グアテマラの当局は、米国にコカインを密輸する飛行機の滑走路を建設するために麻薬密売組織が森林を焼き払っていると明らかにした。今年に入り、米マンハッタン(Manhattan)島の2倍の面積の森林が焼失したという。

 こうした事態を受け、グアテマラは非常事態を宣言。最も被害が大きかったのはメキシコやベリーズと国境を接する北部で、麻薬密売組織が拠点としている地域だという。

 北部ペテン(Peten)県の森林は、マヤ生物圏保護区(Maya Biosphere Reserve)や、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている古代マヤ文明の都市遺跡ティカル(Tikal)などの考古学的遺産があることで知られている。

 グアテマラでは今年1月以降、1万2000ヘクタールの森林が焼失しているが、その3分の2以上はペテン県の森林。当局によると、麻薬組織は森林を焼き払ってコカイン輸送用小型機の新滑走路を建設するほか、アヘンや大麻なども栽培しているという。

 メキシコの強大な麻薬カルテルが近年、グアテマラに本格的に進出。地元ギャングと提携して、グアテマラを輸送やマネーロンダリング(資金洗浄)の一大拠点に変えようとしている。(c)AFP/Henry MORALES