【6月8日 AFP】中国の検察当局は、複数の炭鉱企業から賠償金をゆすり取る目的で17人を殺害した事件に関与した容疑で労働者74人を訴追した。中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)系の英字紙・環球時報(Global Times)が8日報じた。

 環球時報によると、74人は国内6地域で計17人を炭鉱事故に見せかけて殺害した容疑を掛けられている。

 これらの労働者は犠牲者の遺族を装い、事故を表沙汰にしない代わりに多額の賠償金を炭鉱企業の経営者らに要求するという入り組んだ詐欺をはたらき、大量殺人を行っていたとみられている。

「いったん賠償金を手に入れると、彼らはおとなしく次の狙いに移った。炭鉱企業の経営者をだましてやすやすと金を巻き上げることに味を占め、殺人を繰り返した」と環球時報は報じている。

 弁護士らは同紙に、中国の鉱山業界では過去10年間こうした殺人事件が後を絶たないと語っている。

 中国は世界最大の石炭産出国。国内の鉱山では事故が起こりやすく毎年多数の死者を出しているが、近年その数は減少してきている。(c)AFP