【6月5日 AFP】米政府は4日、南アフリカに滞在中の米国民に対し、南アフリカの大都市で近いうちにイスラム過激派による「テロ攻撃」が発生する可能性があるとして警戒を呼びかけた。

 在南アフリカの米国大使館は4日、同大使館のウェブサイトに、「米政府は、テロリストのグループがヨハネスブルク(Johannesburg)やケープタウン(Cape Town)といった大都市の繁華街や高級ショッピングモールなど、南アフリカ在住の米国人が集まる場所を襲撃する計画を立てているという情報を入手した」と掲載した。

 米国大使館は、今回の警告は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、今月始まるイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の間に世界中で攻撃を行うよう支持者に呼び掛けたことを背景にしていると述べた。

 しかし現地の報道によると、南アフリカ外務省のクレイソン・モニエラ(Clayson Monyela)報道官は、南アフリカの治安当局には国家と米国人を含む国内在住者を保護する十分な能力があると述べ、「前回、昨年末にかけて(米国がテロに関する)警告を発した時も何も起きなかった」と話し、米国大使館の警告を重視しない姿勢を示した。

 米政府は昨年9月、南アフリカに滞在する米国民に対し、過激派が米国関連施設を襲撃する可能性があるとして注意を呼び掛けた。米政府は世界各国にいる自国民に対して定期的に「テロ攻撃」に関する警告を発しているが、4日の警告では標的や脅威の切迫度が具体的に表現されていた。

 アフリカの一部の国ではイスラム過激派による襲撃事件が起きているが、南アフリカは今のところその種の事件を免れている。(c)AFP