【6月1日 AFP】「大きいことは美しい」とされる西アフリカ・コートジボワールでは、ヒップも豊かな方が好まれる。そのため、クリームにサプリメント、高価なパッド入りショーツまで、ありとあらゆる豊尻(ほうこう)グッズが存在し、金に糸目をつけない人もいる。

 販売員のサラさんは「コートジボワールで美しいと言われるには、ヒップが大きくないと。男性が一番好きなのは、お尻がいけてる女性よ」と語った。

 政治学者のジャン・アラブロ(Jean Alabro)氏によると、丸みを帯びたものが美しいとみなされるのは、富と健康を象徴するからだという。また、出産時に「お尻が果たす重要な役割」からも「幸せな妊娠」を連想させると話す。

■飛ぶように売れる「巨尻」クリーム

 アビジャン(Abidjan)最大の市場であるトレイクビル(Treichville)に店を構えるエブリーヌさんは、コートジボワールの俗語で「巨尻」を意味する「ボッチョ」クリームの販売に忙しい。タラ肝油や蜂蜜、シアバターなどさまざまな原料が記載されたクリームは、飛ぶように売れている。店の床にもクリームが山と詰め込まれた箱が積まれていた。隣国ガーナへ発送するという。

 エブリーヌさんいわく、この豊尻クリームが「店のベストセラー」で「美胸」クリームや、「男性器を硬く大きくする」という「バズーカ」チューブに比べて、売り上げがずっと良いという。

「ボッチョ」クリームは1個1万5000~2万5000CFAフラン(約2800~4700円)で、1日に数十個売れる。コートジボワールの2014年の平均月収が100ユーロ(約1万2400円)前後だったことを考えれば、高い買い物だ。

 トレイクビルでは、いかにも効き目のありそうなパッケージの豊尻製品も手に入る。大半はナイジェリアなどアフリカの英語圏諸国からの輸入品だ。