■時間、そしてジョコビッチの壁

 ウィンブルドンの最年長優勝は、1975年のアーサー・アッシュ(Arthur Ashe)氏の31歳と11か月。グランドスラムでは、1972年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)を制したケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏の37歳が最高となっている。全仏では、1972年に34歳で大会を制したアンドレス・ヒメノ(Andres Gimeno)氏が最年長だ。

 さらに、彼らがプレーしていたころとは時代が違う。当時はまだオープン化直後のプロ黎明(れいめい)期で、プレースピードも今と比べればゆっくりだった。

 2003年のフェデラーのウィンブルドン初制覇から、2014年のナダルの全仏優勝まで、44個のグランドスラムのタイトル中、31個を2人で独占してきたナダルとフェデラーだが、フェデラーは2012年のウィンブルドン、ナダルは2014年の全仏以来、グランドスラム制覇から遠ざかっている。

 それでもナダルは、プロ転向後では最悪の成績に終わった2015年を経て、今年は復活の兆しを見せていた。本人も、「今はつらいし、これまでで最もつらい記者会見になったが、これが終わりではない」と現役続行に自信を見せている。

 ナダルの長年の友人であるリシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)も、親友の復帰を願っている。

「彼のことはすごく尊敬しているし、残念だ。本人ができないと判断したなら、深刻なけがなんだろう。小さなものじゃない。小さな問題はいくつも抱えてるだろうし、小さな痛みのこらえ方は知っている選手だ。だから今回は、きっと深刻なはずだ」

「大会にとって大きな損失だよ。戻ってくるのを祈ってる。それが一番大切なことだ。できるだけ早く、ツアーに戻ってきてほしい」

 しかし、2人の前に立ちはだかるのは、時間だけではない。絶対王者として君臨するノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の存在が、肉体的にも精神的にも2人に圧力をかける。

 ジョコビッチは今や、直接対決の成績でも両者を上回っている。フェデラーは、ジョコビッチとの直接対決で22勝23敗と負けが先行し、ここ10戦では7敗を喫している。

 ナダルは23勝26敗で、ここ12試合ではわずか1度しか勝てていない。昨年の全仏で、ナダルに生涯2度目となる全仏の敗北を味わわせたのもジョコビッチだった。(c)AFP/Dave JAMES