【5月20日 AFP】男子テニス、四大大会(グランドスラム)通算17勝のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が19日、けがの回復が間に合わなかったため、全仏オープンテニス(French Open 2016)を欠場すると発表した。これによりフェデラーのグランドスラム連続出場は65で止まることとなった。

 現在34歳で世界ランキング3位のフェデラーは、キャリア通算88勝で獲得賞金総額が1億ドル(約110億円)に迫るキャリアが終わりを迎えているわけではないと強調している。

 2009年に全仏オープンを制しているフェデラーは、自身のフェイスブック(Facebook)で、「今年の全仏オープン欠場を発表することになり残念に思う」とコメントしている。

「体調は全体的に確実に良くなっているが、まだ100パーセントではなく、完全に回復する前にこの大会でプレーするリスクを冒す必要はないと判断した」

 今季は膝と腰のけがに悩まされているフェデラーのグランドスラム本戦不出場は、1999年の全米オープン(US Open Tennis Championships)以来となる。

 8月に35歳になる元世界ランキング1位のフェデラーは、今季はこれまでわずか4大会にしか出場していない。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の準決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れたあとの2月、フェデラーは子どもたちを風呂に入れようとした際に膝を負傷し、キャリアにおいて初めて同部位の手術を受けている。

 米国でのハードコートシーズンを全休したフェデラーは、4月のモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2016)で復帰。その後、腰の負傷でマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)を欠場したフェデラーは、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)では3回戦でドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に敗れ、2試合の出場にとどまった。

 全仏オープン欠場を発表したフェデラーだが、現役続行を強調して、今後のグラス(芝)コートシーズンに向けた調整に集中するとしており、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)では2012年以来のグランドスラム制覇となる通算8度目の優勝を目指すとしている。また、フェデラーは8月のリオデジャネイロ五輪にも出場する意向を示している。

「今回の決断は簡単なものではなかったが、残りのシーズンで確実にプレーするため、残されたキャリアを伸ばすために決めた」

「モチベーションや興奮はこれまで通りだし、来るべきグラスコートシーズンでツアー復帰するまでに体調をベストな状態にすることを目標としている」

「パリ(Paris)のファンには申し訳なく思うが、2017年にローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)に戻って来られることを心から楽しみにしている」

 フェデラーの欠場により、22日に開幕する全仏オープンでは、9度の優勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がジョコビッチ、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)、前回王者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に次ぐ第4シードにエントリーされることとなった。

 これによりナダルは、準決勝までジョコビッチ、またはマレーとは対戦しないことになる。(c)AFP/Dave JAMES