【5月30日 AFP】両足を失ったエクアドル人登山家が、最も登頂が困難とされる高峰「K2(ケーツー、標高8611メートル)」の無酸素登頂制覇に世界で初めて義足で挑戦する。

 サンティアゴ・キンテロ(Santiago Quintero)さん(41)は2002年、アルゼンチンにある南米最高峰のアコンカグア(Aconcagua)の登山中に凍傷にかかり、両足先の切断を余儀なくされた。凍傷になった理由は登山靴用の防水カバーを買う100ドル(約1万1000円)が捻出できなかったためだという。

 だが両足切断でくじけるようなキンテロさんではなかった。AFPの取材にキンテロさんは「もう二度と5000メートル級の山には登れないだろうと言われた」と笑顔で語る。「だけど私がどうするべきだとか、どうあるべきだとか他人に言われることじゃない。そうありたいと願う自分でいよう。そう決めたんです」

 彼が今回、制覇を目指すK2は中国とパキスタン国境に位置する。高さこそ世界第2位だが、登頂の技術的な難易度は世界一とされる。キンテロさんは6月13日にK2登山をスタートし7月31日に終了する計画だという。(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA