【5月28日 AFP】アジア最大の総合格闘技団体「ワン・チャンピオンシップ(ONE Championship)」は27日、タイ・バンコク(Bangkok)でストロー級世界王座決定戦を開催し、挑戦者の内藤のび太(Yoshitaka "Nobita" Naito)がデェダムロン・ソー・アミュアイシリチョーク(Dejdamrong Sor Amnuaysirichoke、タイ)に勝利した。

 総合格闘技(MMA)が初めてタイに上陸したこの日、バンコクの会場を埋め尽くす大勢の観客が詰め掛けたものの、地元の選手が敗れ、試合後は失望に包まれてしまった。

 タイの国技ムエタイは、肘打ちをはじめ、パンチやキックを繰り出すスポーツで、タイ人ファイターの中には、スムーズな形で総合格闘技に転向する選手もいる。

 世界的に成長を続けるMMAが、タイの伝統であるムエタイを脅かすことが懸念される中、観客は「タイでMMAを観戦できたことに興奮している。タイ人にとっては残念な結果になったけど、素晴らしい試合だった。すごく激しく、生々しかった。ケージの中は隠れる場所がなく、一つのミスも許されない」と話した。

 ファンが右肩上がりに増え続けるMMAが、ムエタイの選手にとって大きな魅力となっている一方で、保守派の中には、タイの神聖なボクシングスタイルが、やがて総合格闘技に浸食されてしまうという不安の声も上がっている。(c)AFP