【5月27日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は27日、広島を訪問する。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席するため日本を訪問しているオバマ大統領は26日に三重県志摩市で行った記者会見で、この歴史的訪問で戦争行為の危険さと、平和を目指す取り組みの必要性を強調する意向を示した。

 世界で最初の被爆地となった広島を現職の米大統領として初めて訪問することになるオバマ氏は、1945年8月6日の原爆投下は「現代史における一つの転換点」となったと述べ、「誰しも何らかの形で向き合ってこなければならなかったことだ」と指摘した。

 広島に投下された原爆により、14万人の命が奪われた。灼熱(しゃくねつ)の火球にのみこまれて即死した人もいれば、何週間、何か月、何年も後まで原爆症に苦しみ続けた人も大勢いた。

 大統領は記者団を前に、原爆投下は冷戦(Cold War)時代に比べれば、常に現在の人の念頭にあるものではもはやないと認めながらも、「核が関わる出来事の背景に浮かぶものは依然として、われわれの想像力の裏側を圧迫するものであり続けている」と話した。

 大統領は記者団を前に、「私は改めて、今ここに厳然と存在するリスクと、われわれ全員が持っておくべき緊迫感を強調したい」と訴えた。

 大統領は、原爆ドームそばの原爆慰霊碑に献花する予定。NHKは26日、オバマ氏が数人の被爆者と対面する可能性もあると報じた。一方、日本社会の一部から求める声が上がっていた謝罪は行わないことになっている。

 オバマ氏の広島訪問には、安倍晋三(Shinzo Abe)首相も同行する。このことについてオバマ氏は、戦後日米の間で築かれた「類いまれな同盟関係」を強調するものだとしている。(c)AFP