【5月23日 AFP】第69回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で最新作『ザ・ラスト・フェイス(The Last Face)』が酷評されたことを受け、作品を手掛けた米ハリウッド(Hollywood)俳優で監督のショーン・ペン(Sean Penn)氏が、米国での上映について危惧していると現地メディアが22日、報じた。

 ペン氏は、国際援助活動家の恋愛を描いた同作品について、仏日刊紙ニース・マタン(Nice Matin)に対し、「私は誇りを持って自身の作品を擁護する。もし人々が理解できなければ、無理強いはしない」とコメント。一方の批評家らは「あきれるほど偉ぶっているが、気が遠くなるほど内容の薄いラブストーリーと難民を侮辱するポルノの混合物」などと酷評している。

 俳優ハビエル・バルデム(Javier Bardem)とペン氏の元パートナーのシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)が共演したこのラブストーリーは、物語の背景となったアフリカでの惨状とは「不快なほど」相容れないものだという。

 上映会では、ブーイングとやじが飛び交い、業界誌「Screen」が実施した国際評論家らによる評価では、13年間の統計史上最低を記録した。

 記事には「われわれには配給業者もいないし、カンヌでの『歓迎ぶり』も問題を解決する助けにはならないだろう」と状況を危惧するペン氏のコメントがフランス語で掲載された。

 元パートナーのセロンさんと一緒にいることも居心地の悪さを助長したようだ。2人の表情は、記者会見やレッドカーペットが耐えがたいもののように見受けられた。

 作品が酷評されたことについては、「このことを嘆いても何も変わらない」とペン氏は語っている。(c)AFP