【5月21日 AFP】スペインの裁判所は20日、22日に行われるサッカースペイン国王杯(Copa del Rey 2015-16)決勝で、FCバルセロナ(FC Barcelona)のサポーターがアスタラーダ(Estelada、カタルーニャ独立旗)を振ることを禁止する通達を覆す命令を下した。

 同国の首都マドリード(Madrid)の当局は18日、2007年に制定された規則に違反するとして、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)の本拠地ビセンテ・カルデロン・スタジアム(Vicente Calderon Stadium)で行われるセビージャFC(Sevilla FC)との国王杯決勝に、アスタラーダを持ち込まないようFCバルセロナ側に通達していた。

 この規則は「暴力行為の誘発」や、「スポーツイベント参加者への侮辱を示す」と見なされた旗やシンボルの使用禁止を認めるものとなっている。

 しかし裁判所はこの日、「暴力行為の誘発、人種差別や外国人差別、あるいは人の尊厳を侮辱するようなあらゆる差別」がアスタラーダの掲示によって引き起こされた「事例は示されていない」と裁定を下した。

 FCバルセロナ側はこの裁判所の決定を歓迎し、「クラブは裁判官の命令が、クラブ会員やサポーターがシンボルやバナーを自由に表現することを許可するものになると喜んでいる」と声明を発表した。

 FCバルセロナはスペインからの分離独立を支持する富裕なカタルーニャ(Catalonia)自治州の人々が、信条を表現するはけ口となっていた。

 カタルーニャ自治州のカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)首相やバルセロナ(Barcelona)市のアダ・クラウ(Ada Colau)市長は、アスタラーダの持ち込み禁止処分に抗議して国王杯決勝をボイコットすると表明していたが、この日の裁判所命令を受けて、スタジアムで試合を観戦すると発表している。(c)AFP