【5月12日 AFP】(写真追加)南太平洋で5週間以上漂流していた、子どもを含むパプアニューギニア人14人が、ソロモン諸島(Solomon Islands)沖で救助された。パプアニューギニアの地元紙などが12日、報じた。ビンロウジの皮を食べて生き延びていたという。

 うち2人は救助時に重体だった他、ボートに乗っていた女性1人が脱水症で死亡し、遺体は海に投げ入れられたという。

 パプアニューギニアの地元紙ポストクーリエ(Post-Courier)によると、一行は4月4日、パプアニューギニア東側の島から別の島へ船で移動していたが、エンジンが故障し、「なすすべなく太平洋を漂流し続けた」という。

 パプアニューギニアの駐ソロモン諸島高等弁務官、フレッド・ヤカサ(Fred Yakasa)氏によると、救助されたのは男性4人、女性7人、子ども3人で、パプアニューギニアから東南へ1000キロ以上離れたソロモン諸島の沖合で10日、水上飛行機によって発見された。

 ヤカサ氏はオーストラリア放送協会(ABC)に対し「(遭難者は)水上飛行機によって発見され、漁船のマジェスティックサン(Majestic Sun)号へと搬送し、漁船が(ソロモン諸島首都の)ホニアラ(Honiara)まで彼らを安全に運んだ」と述べた。

 漂流中は船に持ち込んでいたビンロウジの皮を食べて生き延びていたという。ビンロウジは興奮作用があり、アジア太平洋の広い地域で人気がある。

 ポストクーリエ紙によると、医師が体調を確認した後、パプアニューギニアへ帰国できるよう、高等弁務官事務所が手続きを進めているという。(c)AFP