【1月14日 AFP】釣りに出掛けたまま行方不明となり、3か月以上にわたって太平洋を漂流していたパプアニューギニアの男性らが、15日にも帰国できる見通しとなった。国際移住機関(International Organization for MigrationIOM)が14日、明らかにした。

 Michael Bolongさん(54)とAmbrose Wavutさん(28)は昨年8月中旬、発見・保護された場所から約1600キロ南に位置するパプアニューギニアのタンガ島(Tanga Island)から釣りに出発。およそ3か月後の11月23日にミクロネシア沖でマグロ漁船に発見・救助された。IOMによると、乗船していたのは3人で、Wavutさんの義理の父親は発見の約3週間前に死亡したという。

 ミクロネシア連邦政府によると、2人は念のために医療施設で短期間入院していたが、発見当時の健康状態は「良好」だったとされる。退院後、同国政府が送還の準備を整えている間、2人は首都のあるポンペイ(Pohnpei)に滞在していた。

 遭難後、当初は船に積んであった米や小麦粉を食べて飢えをしのいでいたが、2週間後にはすべて底を突いた。その後は、鍋の取っ手や釘(くぎ)で簡易の槍(やり)を作り、食べ物を調達。流されてきたココナツや捕まえた魚、カメなどを食べていたとされる。途中、体長約1.8メートルのサメと格闘、捕獲に成功したこともあったという。

 IOMは声明を発表し、「期間中、3日間何も食べられない時があった…漁船が2回近くを通ったが、見つけてもらえなかった」と述べた。

 広大な海原に小さな島々が浮かぶ太平洋では、船が方向感覚を失うことは珍しくない。昨年1月には、メキシコから出港したエルサルバドル出身のホセ・サルバドール・アルバレンガ(Jose Salvador Alvarenga)さんが約13か月間の漂流の末、マーシャル諸島で発見・保護されている。(c)AFP