【5月11日 AFP】サウジアラビアでは公共映画館の設置が禁止されているため、正式には「映画制作」と言わない。

 しかし、紅海沿岸の都市ジッダ(Jeddah)にある女子大、エファット大学(Effat University)の約150人の女子学生が行っていることは、まさに映画制作だ。

 保守的なイスラム王国であるサウジアラビアでは、このようなコースは他に類を見ないと学生たちは言う。同国には映画産業がなく、男性向けの似たようなコースもない。

 3年前に始まった映像およびデジタル制作コースはサウジアラビアの生まれたばかりの映画業界を発展させ、同時に映画館の設置推進に役立っていると学生や講師らは言う。

 4年制の大学課程に通っている学生たちはアニメーション、脚本、ゲームやバーチャルリアリティーなどの双方向メディアを集中して学ぶこともできる。

■映画を学ぶ目的

 ジャワヘル・アラムリさん(20)はモノローグでつづられる短編ドキュメンタリーを制作するために、彼女自身の体験を用いた。

「他の人とは違うと私はいつも言われてきた」とアラムリさんは言う。彼女はダンマム(Dammam)北のジュバイル(Jubail)で育ち、エファット大学の映画コースに通うためにサウジアラビアの反対側まで移ってきた。

「どうしたら自分自身の幸せの定義を見つけることができるのか?」──彼女のモノローグのテーマだ。

 双方向メディアを専攻しているカリダ・バタウィールさん(20)は、これが映画を勉強する理由だと話す。

「私たちが感じることや私たちの歴史を世界に伝えたい」と彼女は他の学生と話しながら言う。