【5月10日 AFP】ドイツの競泳代表チームを指導するへニング・ランベルツ(Henning Lambertz)監督は、リオデジャネイロ五輪の女子4×100メートル自由形リレーについて、選手が「細身のモデル」のようであることを理由に、派遣を見合わせる意向を示している。

 23歳のアニカ・ブルーン(Annika Bruhn)ら同種目の代表候補だった4選手は、昨年8月にロシアで開催された世界水泳選手権(16th FINA World Championships)で、リオ五輪の派遣標準記録に届かず、先日ベルリン(Berlin)で行われた国内の代表選考会でも、目標のタイムを出せなかった。

 ランベルツ監督は、4人には「すでに十分なチャンスを与えた」として、英ロンドン(London)で開催中の欧州選手権をラストチャンスにすることも認めていない。

 ドイツ代表が五輪の同種目でメダルを獲得したのは、20年前に行われたアトランタ五輪が最後で、現在ではオーストラリア代表が圧倒的な強さを誇っている。

 ランベルツ監督は4人について、女子100メートル自由形の現女王であるオーストラリアのブロンテ・キャンベル(Bronte Campbell)と比べて筋力が足りないと述べ、ドイツの日刊紙ビルト(Bild)に対し「世界のトップ選手と比較して、わが国の少女たちは、まるで細身のモデルだ。アスリートではない」と話している。

「タイムが出せず、明らかにパワー不足だ。ベルリンで納得のいく結果が出ていたら、派遣しただろうが、彼女たちに競争力はない」

 一方、4人はランベルツ監督の主張に反発しており、ある選手はビルト紙に対して「世界最高の選手と体形で比べるなんて不公平です。みんな私たちより5~6歳も年上で、キャリアもピークを迎えています」とコメントした。

 また別の選手は、トレーニングで順調に体重を増やしていると説明し、「今年はウエートルームで10時間も過ごし、体を鍛えています。キャリアの駆け出しですから、トップ選手のように見えるわけがありません」と反論した。(c)AFP