【5月8日 AFP】英首都ロンドン(London)で7日、野党・労働党からロンドン市長選に出馬し、イスラム教徒として初めて欧米の主な首都の市長に当選したサディク・カーン(Sadiq Khan)氏(45)の就任宣誓式が行われた。

 パキスタン人移民のバス運転手を父親に持つカーン新市長は慣例を破り、ロンドン市内のサザーク大聖堂(Southwark Cathedral)で多宗教による就任宣誓式を行った。カーン新市長が入場すると支持者は起立して拍手を送り、同市長が「私の名前はサディク・カーン。このたびロンドン市長に就任した」と述べると歓声を上げた。

 カーン市長はまた「私はロンドン史上、最も透明性が高く、忠実に任務を果たし、(市民の)アクセスが容易な市政府を、すべてのコミュニティー及び地区に居住するロンドン市民のために作り上げる決意をした」と述べた。

 5日に行われたロンドン市長選で、カーン新市長は全体の57%に当たる130万票超を得て保守党の候補者で富豪のザック・ゴールドスミス(Zac Goldsmith)氏を破り、イスラム教徒として初めてロンドンの市長に当選した。

 カーン氏は7日未明に当選スピーチを行い、自身に対するネガティブ・キャンペーンに言及してロンドン市民は「分裂より統一」を選んだと述べた。

 保守党のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、カーン氏はイスラム過激派の集会に出席したことがあるとしてカーン氏批判の先頭に立ち、ゴールドスミス氏はカーン氏が「過激で分裂をもたらす」と主張していた。(c)AFP/Alice RITCHIE