■近縁種のフラットコーテッドレトリバーでも

 研究チームによると、ラブラドルレトリバーの約23%で起きるこのPOMC遺伝子の欠失がみられるイヌは、欠失がないイヌに比べて体重が平均で2キロ重い傾向があるという。

 さらに、ラブラドルレトリバー以外の、英国産と米国産の品種のイヌ411匹のサンプルにまで調査対象を拡大した結果、POMC欠失は、ラブラドルの近縁種であるフラットコーテッドレトリバーでしかみられなかった。

 フラットコーテッド種の「体重と行動は、(この変異から)同様の影響を受けていた」と論文は指摘している。

 また、身体障害者の補助犬として活動するラブラドルレトリバーでは、POMC欠失が極めて多くみられ、その割合は、調査対象全体の4分の3に上った。「これは驚くべき結果だった」とラファン氏は話す。

「これらのイヌは、餌による動機付けの程度が他より高いため、歴史的にご褒美の餌を使ってイヌを訓練してきた補助犬繁殖計画では、選ばれる可能性が高くなると考えられる」(ラファン氏)

 自分のペットのイヌが食べることを過剰に好む可能性がある飼い主にとっては、イヌが餌を欲しがる背景に、生物学的な理由が存在する可能性があることを理解するといいだろう。

「この変異を持つイヌの行動は、他と異なっている」とラファン氏は指摘する。「この変異を持つイヌをスリムに保つことは可能だが、それには細心の注意が必要だ。すなわち、食事量の制限に関してより厳格になる必要がある。そして、飼い犬が丸い大きな瞳で見詰めてくるのに対して、より強い『抵抗力』を持つ必要がある」と付け加えた。(c)AFP