【4月29日 AFP】イタリア・セリエA、ACミラン(AC Milan)のアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)最高経営責任者(CEO)は、2015年の損失が9000万ユーロ(約110億円)に上るとの報道により非難を浴びた株主総会の後、クラブに差し迫った危機はないと語った。

 28日の報道によると、ミランのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)会長は、株式の過半数を中国の合弁企業に売却することになりそうだという。伊紙コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)は、ベルルスコーニ氏がまず株式の70パーセントを売却し、1年以内に残りの30パーセントを売却することで両陣営が5月2日にも合意に至り、契約を結ぶのではないかと報じている。

 一方でガッリアーニ氏は、少数株主の組合からクラブがリーダーシップを欠いているとの批判を受け、守勢を取ることになった。直近の会計報告書によると2015年のミランの損失は9000万ユーロほどで、国内や欧州でのクラブの緩やかな衰退への懸念が強まっている。

 ミランはここ数年不振に陥っており、来季のサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)出場権獲得もままならない状況となっている。

 ガッリアーニ氏は、「どんな会社でも悪いときと良いときがある。この悪い流れを乗り越えるために、取締役会はできることをやっている」と語っている。

 この日行われた株主総会で、ベルルスコーニ氏とガッリアーニ氏は少数株主の組合長から批判を受けた。

 組合長のジュゼッペ・ガッティ(Giuseppe Gatti)氏は、「状況はひどくなっている。想像していた以上にひどい。ここまでくるとは思ってもみなかった。(直近の指揮官たちである)クラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)、フィリッポ・インザーギ(Filippo Inzaghi)、シニシャ・ミハイロビッチ(Sinisa Mihajlovic)のせいだとは言い切れない。責任は経営陣、ガッリアーニとベルルスコーニにある」と批判した。(c)AFP