【4月27日 AFP】ファンクラブへ入会する程度では満足できない、熱烈なサッカーファンに朗報だ。アルゼンチンのとあるクラブがこのほど、皮下に埋め込むマイクロチップ型チケット、「チケット・パシオン(情熱チケット)」を販売すると発表した。

 アルゼンチンは、お気に入りのクラブに熱を上げるファンが「俺の中にはいつでもお前がいる」と、ほとんどラブソングのようなチャントを歌うほど、熱狂的なサッカー好きが多い国として知られる。

 同国1部リーグに所属するティグレ(Club Atletico Tigre)は、次のステップへ進み、体に埋め込むマイクロチップ型のチケットをファンに提供すると発表した。これがあれば、試合開催日にはスタジアムの入場ゲートが自動的に開くため、紙のチケットや身分証は必要なくなるという。

 クラブは公式ツイッター(Twitter)で、「自分の中にクラブがいるという言葉が、これからは単なるたとえではなくなるのです」とアピールしている。

 ティグレでは、エセキエル・ロシーノ(Ezequiel Rocino)事務局長が先陣を切って、上腕にある青と赤のクラブカラーのタトゥーの下へ、マイクロチップを注入した。

 チップは、ペットの迷子に備えて、飼い主が犬や猫に埋め込むのと似たもの。報道陣の前で、ロシーノ氏が自慢げにスキャナーへ腕を近づけると、回転式の入場ゲートが問題なく開いた。

「スキャナーが、埋め込まれたチップのデータを読み取り、会員の支払い状況が最新であることを確認した後、直ちに安全ゲートを開放します」とクラブは発表している。

 ロシーノ氏は、チップの埋め込みは強制ではないと述べ「プライバシーの侵害は一切ありません。利便性の改善だけが目的です。GPS機能はついていませんし、記録するのは会員情報のみです」と話した。(c)AFP