【4月23日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)は、アレクサンドル・ポベトキン(Alexander Povetkin、ロシア)とのタイトル防衛戦を控え、冷戦主義者の印象を与えるような発言をした。

 今週、出身地の米アラバマ(Alabama)州でメディア向けの公開練習を行ったワイルダーは、「俺の望みは、もちろん勝つことだ」とし、「再び米国に勝利をもたらしてみせる。これは自分のためだけでなく、米国にとって大きな戦いだ。ロシア対米国のようなものさ」とコメントした。

 36戦全勝で35回のKO勝ちを収めているワイルダーは、2015年1月に行われたバーメイン・スタイバーン(Bermane Stiverne、カナダ)戦で判定勝ちを収め王座を獲得。それ以降はエリック・モリナ(Eric Molina、米国)、ヨハン・デュオパ(Johann Duhaupas、フランス)、そしてアルツール・スピルカ(Artur Szpilka、ポーランド)を倒し、次戦で4度目のタイトル防衛を目指している。

 米ニューヨーク(New York)のブルックリン(Brooklyn)にあるバークレイズ・センター(Barclays Center)で行われた今年1月のスピルカ戦で、あごに強烈な右パンチを打ち込み、相手を失神させたワイルダーは、試合後にWBA世界ヘビー級王者で無敗を誇るタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)と舌戦を繰り広げた。

 IBF世界ヘビー級の新王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)に加え、フューリーの存在も意識しているワイルダーは、統一王座に意欲を燃やしており、「これまで自分が成し遂げてきたことはすべて、誰もが認める世界べビー級王者になったときのお飾りになるだろう」と自信をみせた。

 来月21日に指名挑戦者のポベトキンと対戦するワイルダーは、米国出身のヘビー級王者としては初めて、ロシアで防衛戦に臨むことになる。

「ロシアへ赴き、相手のホームでタイトル防衛に挑戦するのは素晴らしいことだ。前にも話したように、米国で戦うのは簡単だが、今度の試合は自分にとって勝手が違う」

「世界ヘビー級のタイトルを保持したからには、タイトルを防衛するために世界中へ遠征したい。俺は夢に生きていて、この戦いでその機会に恵まれることになった。ロシアに行くことを楽しみにしてるよ。ロシアには『行くぞ』と言ってやりたい」

(c)AFP