【4月21日 AFP】クリーンな自転車競技を目指す団体、「信頼ある自転車競技のための運動(The Movement for Credible Cycling、MPCC)」は、トップ選手の自転車に技術ドーピングの可能性があることを受け、組織的な検査を実施することを要求している。

 自転車競技のプロチームが各国の連盟や企業と提携して設立したMPCCは、技術ドーピングへの対抗策として法的手段に訴える可能性も模索しており、「不正行為への対抗策として、必要かつ有益なあらゆる法的手段を追求し、自転車競技の高潔性を保持していく」との声明を発表した。

 MPCCはまた、技術ドーピングに対して「即座に内部の調査を開始」することを国際自転車競技連合(UCI)に求めた。

 反ドーピングを訴える今回の声明は、17日に放送されたフランスのスポーツ番組「スタッド2(Stade 2)」を受けてのもの。番組では、先月イタリアで開催された複数のレースで自転車に隠しモーターが使用されていた疑惑が指摘されていたが、内容については根拠がないという声が上がっていた。

 番組制作側は、確証は何もないとしながらも、以前からパフォーマンスに疑惑が持たれていた一部の選手が、違法な手段で加速していた映像を放送した。

 19日にプロサイクリスト協会(CPA)のジャンニ・ブーニョ(Gianni Bugno)会長が、モーターの使用が発覚した選手に対して、永久追放などの厳しい処分を科すべきだと主張したことを受け、MPCCはサーモグラフィーによる検査をUCIに求めた。

 サーモグラフィーについては、「スタッド2」が番組で使用して不正の疑いがある自転車を確認しており、ブーニョ会長も導入を主張していた。

 しかしながらUCIは、「これまでサーモグラフィー、X線写真、超音波による検査方法も検証してきたが、現段階で最も費用対効果が高く、信頼性があり正確なのは、磁気共鳴による検査方法だ。このソフトウエアは、開発の専門企業と協力してわれわれが作った」と難色を示す声明を出している。(c)AFP