【4月12日 AFP】米大統領選に向けた民主党候補指名を争うバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は、米CNNが10日に放映したインタビューの中で2014年のイスラエルによるガザ(Gaza)侵攻に触れ、米国はもっと均衡のとれた中東政策を行うべきだと主張した。

 もしも当選すれば米国初のユダヤ系大統領となるサンダース氏はCNNで、イスラエル・パレスチナ問題に関する自らの立場を問われると「もちろん、われわれはイスラエルを支持する。しかし目下、(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)のパレスチナ人のニーズを無視することはできない」と述べた。また「ユダヤ人か非ユダヤ人かに関係なく、この国(米国)のすべての人々に、中東の際限のない戦争や紛争の悲惨に終わりがもたらされるのを見たいと願ってほしい」と語った。

 サンダース氏は今月初め、米紙ニューヨーク・デーリーニューズ(New York Daily News)のインタビューで、2014年のガザ侵攻でのイスラエルの立場を批判し、衝突では1万人以上の無実の人が死んだと思うと語った。さらに同じインタビュー中で、死者数については不確かだったと認め、実際には2100人超だったとする訂正を受け入れたが、この発言はユダヤ系団体などの批判にさらされた。

 CNNでこの経緯についても尋ねられると、サンダース氏は「イスラエルの反応は不相応なほど均衡を欠いていたかといえば、私はそう思う」と述べ「イスラエルには自由に、独立して、安全に、そしてテロリストの標的とならずに暮らす権利がある──私以上に強くこの原則のために戦う者はいないだろう。しかし、われわれがパレスチナ人にも尊厳と敬意を込めて接しなければ、あの地域に平和をもたらすことはできないだろう」と語った。

 ガザ侵攻では、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が支配するガザ地区からイスラエル南部にロケット弾が発射されたことにイスラエル軍が応酬。国連(UN)は、7週間にわたった戦闘で、パレスチナ側は2130人が死亡し、うち70%以上が民間人だったと推定している。一方でイスラエル側は、パレスチナ人死者のうち民間人は50%前後だったと主張している。(c)AFP