【4月10日 AFP】フィリピン南部で9日、同国軍とイスラム原理主義過激派グループ「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」が新たに交戦し、軍の兵士18人とアブサヤフの戦闘員5人が死亡した。死亡した戦闘員の1人はモロッコ国籍だったという。軍報道官が10日、明らかにした。

 この報道官によると、軍はバシラン(Basilan)島で約100人のアブサヤフ戦闘員と衝突し、少なくとも4人の兵士が斬首されたという。

 戦闘は、相次ぐ外国人の誘拐事件を受けて軍が開始した対アブサヤフ作戦のなかで起きた。8日にアブサヤフは、誘拐し人質としていたイタリア人の元キリスト教聖職者を解放したばかりだった。

 アブサヤフは小規模な武装グループで、外国人を誘拐し巨額の身代金を要求することで知られている。フィリピンでは他に18人の外国人が人質になっており、アブサヤフは全員または大半の誘拐に関与しているとみられている。

 1990年代初めの結成時には、2011年に殺害されたウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」から資金提供を受けた。アブサヤフの指導者らはここ数年、イラクやシリアで支配地域を広げたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」への忠誠を表明している。(c)AFP