【4月9日 AFP】ロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相は8日、IIHFアイスホッケーU-18世界選手権(IIHF Ice Hockey Under-18 World Championship)を控え、選手の検体から禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)が検出されるリスクを「最小限に」抑えるため、代表チームを総入れ替えしたと発表した。

 9日に同選手権へ向けて米国に出発するロシア代表は、すべて17歳以下の選手で構成されることになった。

 ロシアがこの数か月間ドーピング問題に揺れる中、ムトコ氏は、「仮に代表チームのメンバーがメルドニウムを摂取していた場合、それを検知できるか分からないため、選手を入れ替えることにした」と明かした。

 ロシアでは複数のメディアが「われわれは、リスクを最小限に抑えている」というムトコ氏のコメントを伝えている。

 関係者は7日、代表チームのコーチと選手を外し、米ノースダコタ(North Dakota)州グランドフォークス(Grand Forks)に派遣する選手を17歳以下に入れ替えた。

 露アイスホッケー連盟(RIHF)の会長で、旧ソ連時代にはアイスホッケーの名ゴーリ―として知られたウラディスラフ・トレチャク(Vladislav Tretyak)氏は8日、ドーピング疑惑について言及することを拒否し、U-18の大会に17歳以下の選手を送り込むことに決めたのは「戦術」だと説明した。

 トレチャク氏はまた、連盟では代表チームに非公式のドーピング検査を行っていないことを補足している。

 一方でムトコ氏は、今年1月にメルドニウムが世界反ドーピング機関(WADA)の禁止表に入ってから、ロシアでは40人の選手から同薬物が検出されていると述べている。(c)AFP