【4月9日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、第80回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2016)は8日、米ジョージア(Georgia)州オーガスタ(Augusta)のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ (Augusta National Golf Club)で2日目が行われ、史上最年長となる66歳で決勝ラウンド進出を目指していたトム・ワトソン(Tom Watson、米国)は、通算8オーバーで予選落ちに終わり、偉大なキャリアを築いた大会に別れを告げた。

 メジャー通算8勝を誇るワトソンは、1970年から数えて43回目の出場となったマスターズの初日に2オーバーを記録。決勝への道を切り開くためには、2日目も同じようなスコアを出す必要があったが、6オーバーをたたいたことでそれはかなわず、カットラインには2打届かなかった。

 ワトソンは「若者と対戦する大会は、これが最後になるだろう。年寄りとは今後も戦えるが、若者相手にこれ以上対抗できると思えない」とコメント。「全長6400ヤードのコースで行われる大会に若者が出場するのであれば、私もそこでプレーする可能性はあるが」

 ドライバーが飛ばずにボギーでスタートしたワトソンは、4番と5番でも連続ボギーをたたいて大きく後退し、予選落ちのラインに近づいてしまった。そして18番では、長い距離を残したバーディーパットがわずかに届かず、通算134回目にして最後となったラウンドをパーで終えた。

 競技を見守っていた家族をはじめ、グリーンジャケットを着たオーガスタの関係者、往年のライバル、そしてグリーンを囲んでいた大勢のファンに温かく迎えられたワトソンは、涙をこらえながら「一日中、観客が私に示してくれた温かさに感謝している。私への気持ちを表してくれて、とてもありがたい」と語った。

「キャリアを通じて、観客の皆さんに素晴らしいゴルフを披露できていたのであれば本望だ」

 マスターズでは1977年と81年に優勝を果たしているワトソンは、長いキャリアでもっとメジャータイトルを増やせなかったことが、唯一の心残りだと話している。

「実際よりも、もっと勝てた可能性はあるが、その一方で逃してしまったこともある。結局は、それですべての釣り合いが取れている、ということだろう」

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