【4月8日 AFP】7日に行われたサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)準々決勝第1戦で、リバプール(Liverpool FC)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、古巣ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)から熱烈で、感動的な歓迎を受けた。

 クロップ監督は昨年、7年間率いたドルトムントを退団し、その後リバプールの指揮官に就任。ドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)を訪れた約6万5000人のファンは、クロップ監督を両クラブの賛歌である「You'll Never Walk Alone」の胸を震わせるような合唱で迎えた。

 試合開始を前に笑顔のクロップ監督は、ドルトムントの選手と心を込めたあいさつを交わすと、ドルトムントのサポーターが作り出した「黄色い壁」にも笑顔で敬意を示した。

 クロップ監督は「本当に特別な瞬間だった。感動せずにはいられなかったね」と語った。

 2008年から15年までドルトムントを率いていたクロップ監督は、ホームチームの控室ではなく、アウェーチームの控室に向かうのは奇妙な感じだったと続けた。

「どんな様子なのかは知らなかったからね」と笑顔を見せたクロップ監督だったが、2001年から08年まではドイツ・ブンデスリーガ1部のマインツ05(Mainz 05)で仕事をしていたため、アウェーチーム用ロッカーを使用した過去はある。

「ロッカールームに向かうとき、左ではなく右に曲がることだけは心にとめておかなければいけなかった」

「You'll Never Walk Alone」の歌が終わり、クロップ監督が後任のトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督と抱き合うと、多くのカメラマンたちがベンチ前に陣取った。

 ドイツ国内では今週、クロップ監督のドルトムントへの初の帰還が、スポーツニュースの大半を占め、6日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)でVfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)がレアル・マドリード(Real Madrid)に勝利したニュースとも張り合った。

 クロップ監督は英BTスポーツ(BT Sport)に対して、「流れているニュースは多分メディアが少し作り上げたものだろう。ドルトムントとリバプールの選手や監督が作り出したものではない」とコメントした。

「チームにとっては大した違いではない。試合ですべきことを考えるだけだ。事実ドルトムントはかなり良いチームだが、勝てないことはない。自信に満ちあふれているときはかなり厄介だけれどね」

(c)AFP