【4月6日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走る不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、公約として掲げているメキシコ国境沿いでの巨大な壁建設の費用をメキシコに支払わせる方法として、米国内のメキシコ移民による年間数十億ドル(数千億円)におよぶ本国への送金を停止すると脅す意向であることが分かった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が5日、報じた。

 不法移民の入国を防ぐための壁建設と、80億ドル(約8800億円)と推定されるその費用の支払いをメキシコに強制するというトランプ氏の誓約は、批判を呼んでいる同氏の選挙運動の要となる公約の一つ。

 ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏がこの計画の骨子を説明した2ページにわたる文書を入手。それによると、同氏は、テロ対策のため制定された「愛国者法(Patriot Act)」の規定を変更してメキシコへの送金の一部を停止する他、関税引き上げ、ビザ(査証)の無効化、国境通行許可証の発行料引き上げなどの脅迫手段も用いるとしている。

 メキシコが壁建設費用として「50億~100億ドル(約5500億~1兆1000億円)の一括支払い」をすれば、これらの措置を取り下げるという。メキシコにとって、外国に住む自国民からの送金は石油や観光と並ぶ主要収入源となっており、壁建設費の負担は「たやすい決断だ」とトランプ氏は文書の中で述べている。(c)AFP