アイスランド首相が辞任 「パナマ文書」疑惑で政治家初の失脚
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【4月6日 AFP】アイスランドのシグムンドゥル・グンロイグソン(Sigmundur Gunnlaugsson)首相が5日、いわゆる「パナマ文書(Panama Papers)」がもたらした世界的なスキャンダルのあおりを受けて辞任した。この問題が原因で失脚した初の政治家となった。
このスキャンダルは、パナマの法律事務所から流出した内部文書1150万点を世界のメディア各社が調査した結果明らかになったもので、現職または元職の国家元首12人を含む政治家140人がタックスヘイブン(租税回避地)での金融取引に関与していたとみられることが明らかにされた。辞任に追い込まれたグンロイグソン氏は、この問題をめぐり最大のあおりを受けた人物となった格好だ。
進歩党のシグロウル・ヨハンソン(Sigurdur Johannsson)副党首はテレビの生放送で、「首相が(自党の)議員グループの会合で辞意を表明した。後は私が引き継ぐ」と宣言した。
タックスヘイブンの利用者として名前が挙がっている中には、ロシアのウラジーミル・プーチン( Vladimir Putin)大統領の側近や中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の親族、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相の亡父に加え、サッカー・アルゼンチン代表のリオネル・メッシ(Lionel Messi)選手などの著名人らがいる。いずれも違法行為はなかったと一様に否定している。
グンロイグソン氏も夫人と共にパナマに法人を持ち、数百万ドル規模の資産を隠していた疑惑が浮上。同氏は国外に資産を隠している事実はないと否定したものの、街頭で卵を投げるなどの抗議行動が展開され、グンロイグソン政権に対する圧力が強まっていた。(c)AFP/Hugues HONORE with David WILLIAMS in Paris