【3月30日 AFP】29日に起きたエジプト・アレクサンドリア(Alexandria)発カイロ(Cairo)行きのエジプト航空(EgyptAir)MS181便のハイジャック事件では、犯人の男は爆発物を身に着けていると主張していたが、投降後の捜査ではそのようなものは何も見つからなかった──。

 2001年の米同時多発テロ以降、各所での警備体制が強化されたこともあり、同様のハイジャック事件が起きる頻度は激減している。個人的な問題の解決を動機とし、単独で行われるこうしたハイジャック事件の多くは、短時間で収束するケースも少なくない。

 以下、2001年以降に起きたハイジャック事件を複数例に挙げてみた。

2014年2月17日:エチオピアから乗客乗員202人を乗せイタリア・ローマ(Rome)に向かっていたエチオピア航空(Ethiopian Airlines)機が副操縦士によってハイジャックされ、スイス・ジュネーブ(Geneva)の空港に緊急着陸した。犯行当時、エチオピア人の副操縦士は武器を所持していなかった。スイスへの亡命を求めた副操縦士は逮捕されたが、スイスはエチオピアからの身柄引渡しの要求を拒否した。

2014年2月7日:ウクライナ・ハリコフ(Kharkov)を出発し、トルコのサビハ・ギョクチェン(Sabiha Gokcen)空港へと向かっていた乗客乗員110人の旅客機がウクライナ人の男にハイジャックされた。乗客として搭乗していた男は起爆装置を持っていると主張し、ソチ冬季五輪開会式が行われていたロシアのソチ(Sochi)に向かうよう要求。トルコ政府はF-16戦闘機を緊急発進させ、同機をイスタンブール(Istanbul)の空港に強制着陸させた。着陸後、トルコのテロ対策特殊部隊が突入し、事件は収束した。負傷者は出なかった。男については酒に酔っていたと報じられた。

2009年9月10日:メキシコ・カンクン(Cancun)から乗客乗員104人を乗せてメキシコ市(Mexico City)に向かっていたメキシコ航空アエロメヒコ(Aeromexico)機が元麻薬常習者のボリビア人説教師によってハイジャックされた。後に宣教師の男は、神の啓示を受けたと述べ、持っていた爆発物のようなものについては、砂を詰めたジュース缶数本に小さな色付きライトを取り付けたものであることを明らかにした。当時、ほとんどの乗客は人質にとられていたことに気付いていなかったという。犯人は、メキシコが地震の脅威にさらされていることを警告したかったのだと主張した。