■経済面での危機感

 またトランプ氏支持者には、可動式のトレーラーハウスで暮らす人が多い。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の分析結果によると、ある郡でのトレーラーハウス暮らしの人の割合と、トランプ氏に対する支持に相関関係があることが分かった。

 農業や建設業、貿易業、製造業などの「オールドエコノミー」の雇用が多い地域ほど、トランプ氏の支持率が高まることも分かっている。失業者が多い地域でも同じことが言える。

 経済的な地位を失いつつあるとの危機感は、3月15日にオハイオ(Ohio)やフロリダ(Florida)など5州で行われた予備選の出口調査でも顕著に示された。有権者の5人に1人が家計が圧迫されていると感じ、そのうちの約半数がトランプ氏に投票していた。

 研究者らによると、米国の人種的多様性、特にヒスパニック人口の増加を懸念する層を刺激する言動が、トランプ氏には際立ってみられる。

 全米選挙調査(ANES)が1月に行った試験調査では、自分の「白人としてのアイデンティティー」を重要視したり、白人が差別されていると信じていたりする人ほど、トランプ氏に投票する確率が高かった。

 トランプ氏は過去に、人工妊娠中絶の権利を擁護していた。ウェブサイト「ファイブサーティーエイト(FiveThirtyEight)」に掲載されたペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の調査結果によれば、過去のトランプ氏支持者たちもまた、中絶を容認する傾向にあった。

 同大学の研究者であるダン・ホプキンス(Dan Hopkins)氏とダイアナ・マッツ(Diana Mutz)氏が続けている米国人有権者のサンプル調査によると、2007年の時点で、トランプ氏の支持者のうちの中絶容認派の割合は、同年のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員の現支持者よりもはるかに高かった。(c)AFP/Ivan Couronne