【3月25日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)が、脳振とうの発生件数のうち少なくとも100件を意図的に調査報告書から除外したと、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が24日報じた。頭部損傷のリスクを実際より軽く見せるのがその目的だという。

 同紙によると、NFLは1996~2001年までのデータについて、複数のチームから寄せられた重要な情報が含まれていないことを承知していたにもかかわらず、総合的なものとして使用していた。

 NFLによる調査報告書では、脳振とうの報告件数のうち約10%が除外されていたという。この報告書は2003年、チームドクターらが過去5年間に脳振とうと診断した全件数だとして発表されていた。

 同報告書の査読者の一人は、「あるチームが何年にもわたって脳振とうを1件も報告していないというのは、間違いなく注意を引くだろう」とタイムズ紙に語った。

 NFLはこの記事に真っ向から反論し、健康問題を軽視しようとした結果データ漏れが生じたわけではないと主張している。

 慢性外傷性脳症(CTE)は、記憶喪失や認知症、うつ病の原因となる可能性が指摘されており、近年死亡した100人以上の選手が、CTEを患っていたことが分かっている。(c)AFP