【3月15日 AFP】(訂正)国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は14日、内戦が6年目に入ったシリアの子供の3人に1人が「戦争のある人生しか知らない」とする報告書を発表した。

 報告書は、シリアでは内戦によって自宅や学校から追われたり、暴力により孤児となったり、仕事や戦闘に動員されたりする世代が形成されつつあると指摘。「シリアの5歳未満の子供は戦争がある人生しか知らない。こうした子供はシリア国内に290万人、近隣諸国に少なくとも81万1000人いると推定される」と説明した。

 国連(UN)によると、シリア内戦による死者は27万人を超え、内戦前の人口である2300万人の半分以上が自宅を追われた。

 ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所のピーター・サラマ(Peter Salama)代表は「内戦が長引くにつれて子供たちも大人の戦争に関わっていくようになり、学校を退学し、多くは労働を強制される。女の子たちは幼くして結婚する」と指摘した。

 サラマ氏によるとシリア国内では700万人近い子供たちが貧困状態で暮らしており「喪失と欠乏の子供時代」を送っている。シリア国内の包囲された地域で暮らしている子供は20万人以上、学校に行っていない子供はシリア国内で少なくとも210万人、近隣諸国では70万人に上ると報告書は指摘している。