【3月13日 AFP】米大統領選の共和党の候補者指名争いで圧倒的に優勢な不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は12日、オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)市内の国際展示センターで選挙集会を開いた。トランプ氏の集会としてはこれまでで最も過激なものではなかったかもしれないが、会場の内外で同氏に対する抗議行動が目立った。

 集会でトランプ氏は、移民問題や中国などとの貿易問題で強硬姿勢を示し米軍再建も必要だとする同氏の主張に賛同した大勢の支持者から、ロックスター並みの盛大な歓声を浴びた。

 しかしトランプ氏がステージに登場して間もなく、集会は反トランプ派の抗議で中断。抗議集団は「打倒トランプ」を意味するスローガンを叫んだり、プラカードを掲げたりした。警備員が抗議集団の数人を集会から退場させると、トランプ氏は独り言のように「この人たちはどこから来たのかね」と語った。抗議集団の1人が群衆の中で支持者らともみ合う一幕もあった。

 トランプ氏は、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官と民主党の指名獲得を競っているバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員に言及して抗議集団を「バーニーのところの連中」とからかった。事実、トランプ氏のポスターに埋め尽くされた会場で、一人の若い女性が手書きで「バーニー」と書いたプラカードを掲げていた。この女性も退場させられた。

 当初は抗議集団を気に留めない様子だったトランプ氏だが、最終的にいらだちを募らせ「追い出してくれ」と指示した。

 ノースカロライナ(North Carolina)州でも黒人男性がトランプ氏の集会会場から退去されられる際にトランプ氏支持者から突然殴られるという出来事が起きており、トランプ氏の集会で抗議をするという行為はここ数日でかなり危険を伴うようになっている。(c)AFP/Michael Mathes