【3月9日 AFP】シリア国境に近いトルコ南東部の町キリス(Kilis)に8日、シリア領内のイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」支配地区から発射されたロケット弾8発が着弾し、4歳の子ども1人を含む2人が死亡した。当局が明らかにした。

 トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は、IS支配地区から行われた砲撃で2人が死亡し、報復としてトルコ軍が越境砲撃を行ったことを確認し、「トルコに対するいかなる攻撃に対しても断固たる反撃を加える」と強調した。

 地元メディアによると、ロケット弾の一部はキリスの人けのない地区に着弾したが、少なくとも1発によって54歳の女性が死亡した。さらに砲弾の破片が6歳と4歳の子どもを乗せた乗用車を直撃し、このうち4歳の男の子が病院への搬送中に死亡した。6歳の子どもも負傷した。

 キリスでは今年1月18日にも、シリアのIS支配地区から発射されたロケット弾により学校の女性清掃員1人が死亡、女子生徒1人が負傷している。一方、トルコ軍は過去2週間、シリア領内のIS拠点に繰り返し砲撃を加えていた。

 シリア内戦をめぐってはトルコも支持する停戦が発効したが、ISや国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の支配地域は停戦の対象に含まれていない。ダウトオール首相は停戦でISが除外されていることを強調し、今回の砲撃は「停戦が不安定なことを改めて浮き彫りにした」と警鐘を鳴らした。(c)AFP