【3月4日 AFP】南アフリカの憲法裁判所は、交際相手の女性を射殺したとして殺人罪で有罪判決を受けた両脚義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(29)の上訴請求を退けた。検察当局が3日、明らかにした。憲法裁は南アで最終審に当たる裁判所で、ピストリウス被告は再び収監される可能性が出てきた。

 ピストリウス被告は2013年、恋人だったリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さんを撃って死亡させたが、裁判ではスティンカンプさんを侵入者と勘違いしてバスルームのドア越しに発砲したと主張。高裁では過失致死罪で禁錮5年の有罪判決を言い渡され、うち1年の刑期を終えた昨年10月の時点で仮釈放されていた。

 だが検察側は殺人罪の適用を求めて上告。最高裁は昨年12月、ピストリウス被告に殺人罪での有罪を言い渡した。これに対し、被告側は殺人罪の適用は不適当として上訴を請求していた。

 上訴に反対していた南アフリカ国家検察局(NPA)の報道官はAFPの取材に、被告側の主張が認められる「見込みがない」として憲法裁が2日、請求を退けたことを明らかにした。

 ピストリウス被告の量刑言い渡しは首都プレトリア(Pretoria)で4月18日に行われる見通し。殺人罪の量刑は最低でも禁錮15年だが、被告はすでに拘置期間があるため、この期間が量刑から差し引かれる可能性もある。(c)AFP/Susan NJANJI