■「とてもつらい生活だった」

「家には何もなかった。電気も、水も、何もなかった。すべてがそろっていたスウェーデンでの暮らしとまったく違っていた。することもお金もなく、とてもつらい生活だった」と、マリリンさんはクルディスタン24に語った。「電話を手に入れてからは、ママと連絡を取り始め、家に帰りたいと言った。ママがスウェーデンの当局に連絡してくれた」のだという。

 スウェーデンのメディアは、マリリンさんがイラクから母親に送ったテキストメッセージの内容を伝えている。「このままだと私は爆撃で死ぬか、彼らに殴り殺されるか、自殺すると思う。本当よ、ママ。私はもう耐えられない」

 スウェーデンメディアの報道によれば、マリリンさんはイラクで出産した息子と一緒に帰国した。ボーイフレンドの男はモロッコ人で、2013年8月、17歳の時に1人でスウェーデンに来たという。

 首都ストックホルム(Stockholm)の警察当局はAFPの取材に対し、男が強盗事件の容疑者だったことを明らかにした。麻薬犯罪に関わっていた容疑もあったという。男は死亡したとされるが、その詳細な経緯は明らかにされていない。

 インターネットに投稿された動画(撮影日や信ぴょう性は不明)の中でこの男は、自分の生年月日を1996年7月8日と明かし、スウェーデンの「人種差別主義者」に対する憎しみを口にしていた。(c)AFP/Jonathan EWING, Gaël BRANCHEREAU