【8月17日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」による拘束下で死亡した米国人女性が生前、IS最高指導者のアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者から繰り返し性的暴行を加えられていたとみられることが分かった。

 米テレビABCニュース(ABC News)の報道によれば、バグダディ容疑者は、人質としていた援助活動家カイラ・ジーン・ミューラー(Kayla Jean Mueller)さん(当時26)をISの財政担当幹部アブ・サヤフ(Abu Sayyaf)容疑者の自宅に監禁させ、定期的に訪れては性的暴行を加えていたという。

 ABCニュースは、米テロ対策当局からの情報と、ミューラーさんの両親に対するインタビューを報道。父親のカール(Carl Mueller)さんと母親のマーシャ(Marsha Mueller)さんはインタビューの中で、娘がバグダディ容疑者から性的暴行を受けていたとの情報を政府当局から6月に伝えられたことを認め、「カイラは拷問を受け、バグダディの所有物だったと聞いた」と語った。

 ミューラーさんは2013年8月、シリア・アレッポ(Aleppo)で拉致された。IS側は、対IS有志国連合軍が今年2月6日に実施した空爆でミューラーさんが死亡したとしている。一方の米当局は、ミューラーさんの死亡時の状況については不明としている。サヤフ容疑者は、今年5月15日に米軍部隊がシリアのオマル(Al-Omar)で行った急襲作戦により死亡している。

 ABCニュースは、ミューラーさんへの暴行にバグダディ容疑者が直接関与していたとする情報について、サヤフ容疑者の自宅で性奴隷として拘束されていた10代のヤジディー(Yazidi)教徒の少女2人から米当局が得た情報や、サヤフ容疑者の妻に対する取り調べなど、さまざまな情報源から得られたものとしている。(c)AFP