【2月24日 AFP】フランスでてんかん治療に使用される普通薬に胎児のときにさらされたために、乳幼児約450人が先天性欠損症を生じていたことが、保健当局が23日に発表した報告書で明らかになった。

 同報告書は仏東部ローヌアルプ(Rhone-Alpes)地域圏のデータに基づき、抗てんかん治療薬バルプロエートの胎内暴露により先天性欠損症を生じた状態で出生または死産に至った例は、2006~14年にかけて仏全土で425~450人と推計している。

 仏保健省保健総局のブノワ・バレ(Benoit Vallet)長官はAFPに対し、バルプロエート薬についてはこれまでも妊娠女性に対し警告を行ってきたが、3月1日から薬のパッケージにも警告を記載する方針を示した。

 けいれんに対する薬については、出生異常のリスクが約10%と高く、また精神遅滞や自閉症のリスクも高まることからここ数年、警告が出されていた。14年の欧州報告も、てんかんに効く治療が他にない場合を除き、出産可能年齢の15~49歳の女性または妊婦に対し、同薬の処方をしないよう徹底を呼び掛けている。

 新たな報告書によると、フランスではこの薬を双極性障害の治療にも処方している。(c)AFP