【2月20日 AFP】2015-16スキージャンプW杯は19日、フィンランドのラハティ(Lahti)で女子個人第15戦が行われ、高梨沙羅(Sara Takanashi)が今季12勝目を挙げるとともに、通算3度目のW杯総合優勝を果たした。

 19歳の高梨は、2本目に99.5メートルを記録するなどし、合計251.3点をマーク。2位には同238.7点でマヤ・ブティッチ(Maja Vtic、スロベニア)が続き、3位には同232.2点で伊藤有希(Yuki Ito)が入った。

 今季残り4戦として総合争いで最大400ポイントを獲得できる中、高梨はこの日の勝利で2位につけるダニエラ・イラシュコ・シュトルツ(Daniela Iraschko-Stolz%%、オーストリア)に431ポイント差を付けた。

 優勝を逃したのが3度だけだった高梨は、「本当にうれしい。今シーズンは完璧に近かったです」と語った。

 今季、女子では初の10連勝を飾った高梨は、2月4日にノルウェー・オスロ(Oslo)で行われた第10戦では、非公式ながら世界最長記録の137.5メートルを飛んだ。

 今季の最低順位が4位という高梨は、自身が2013-14シーズンに記録した年間15勝の更新も視野に入れている。

 昨季の総合優勝を飾ったイラシュコ・シュトルツが高梨を「ロボットのようにジャンプする」と評する一方、ソチ冬季五輪金メダリストのカリナ・フォクト(Carina Vogt、ドイツ)は「サラはただただミスをしない」とコメントした。

 身長152センチ、体重45キロと小柄な高梨だが、2011-12シーズンのデビューから総合争いでは必ず3位以内でシーズンを終えており、W杯ではまさに巨人。ここまでW杯通算75戦に出場し、通算42勝、表彰台には62回上がっている。

 それでも、高梨は2014年のソチ五輪や昨年のノルディックスキー世界選手権(Nordic World Ski Championships 2015)ではともに4位に終わって優勝を逃し、そのキャリアには大きな隔たりがある。

 ドイツ代表チームのアンドレアス・バウアー(Andreas Bauer)コーチは、こう語っている。

「彼女は、メジャー大会では緊張が顔をのぞかせている。とはいえ、W杯ではすべてを勝ち得た。彼女にとってはもう挑戦するものではないんだ」

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