【2月15日 AFP】2005年に死去したローマ法王の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が、既婚女性と30年以上にわたり親密な関係をもっていたことを示唆する手紙に焦点を当てたドキュメンタリー番組が15日、英BBC放送によって放映される。

 相手とされる女性は、ポーランド生まれの哲学者で作家のアンナテレサ・ティミエニエッカ(Anna-Teresa Tymieniecka)さん。番組では、法王がカトリック教会の聖職者に課される独身制に背いたとは主張していない。だが、相手の女性に宛てた法王の手紙からは、2人の間の親密な雰囲気がうかがえるとBBCは述べている。

 2人は休暇にキャンプやスキー、散策などを一緒に楽しむ仲だった。

「親愛なるテレサ」と始まる1976年9月の手紙では、法王がティミエニエッカさんのことを「神からの贈り物」と表現し「あなたは苦しみについて書いたが、その言葉に対し、私は答えを見出せない」と書いている。

 ドキュメンタリーを制作したBBCのシニア・ジャーナリスト、エドワード・ストートン(Edward Stourton)氏によれば、ポーランド国立図書館から発見された書簡は350通以上に上り、日付は1973年から2005年に法王が死去する数か月前にまで至るという。同氏は「友人以上、恋人未満の関係と言えるのではないか」と述べた。

 さらにストートン氏は「これらの手紙から現れた非常に興味深いストーリーの一つは、感情と哲学的な考えが混じり合った非常に緊密な関係に違いないものを、キリスト教徒にふさわしい信仰の範囲内に抑え込もうとした闘いの物語だ」と語った。

 ドキュメンタリーに登場するのは、ヨハネ・パウロ2世が送った書簡だけで、2014年に死去したティミエニエッカさんが送った書簡は登場しない。(c)AFP