■「新鮮な空気を吸いたい」

 同地区の住民3万人にとっては、迅速とは言い難い対応だ。多くの人々が、ガス漏れ検出のために添加された付臭剤の卵が腐ったような臭いのせいで気分が悪いと訴えている。

 同社が設置した住民支援センターの外で待っていた50歳の女性は、「吐き気と頭痛が止まらない」「家族全員が診療所にかかったり救急治療を受けたりした」と明かした。「とにかくここから抜け出して、新鮮な空気を吸いたい」

 これまでに同社は、住民1万人以上を移住させたが、さらに数百人が移住を希望しているという。地元の小学校2校は閉鎖されており、児童らは別の地区まで通って授業を受けている。

 同社も保健当局も、このガス漏れが健康被害につながる恐れはないと口をそろえる。しかし識者らは、メタンは強力な温室効果ガスであることから、環境には著しい影響があると指摘している。専門家らによると、1日に約1000トンのメタンが漏出している。

 これは車450万台が毎日大気を汚染するのに相当するという。米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)の科学者スティーブン・コンリー(Stephen Conley)氏は「地球的なスケールで見て、これは大きい」と指摘する。

 同社の広報担当者は、このガス漏れによって地元住民の生活に支障が出ていること、また環境に悪影響を及ぼすことを十分に認識しており、対策に全力を尽くしているとともに、ポーターランチ地区の大気環境を注意深く監視していると述べた。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT