■目標はキャリア通算100ゴール

 ピアースは2月6日、地元で行われるスミス・アスレティック(Smiths Athletic)戦でチームデビューを飾る予定になっているが、ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)で500試合以上に出場してきた男は、以前と変わらず緊張すると断言している。

「みんなから久々の試合で緊張するんじゃないかと言われるが、答えはイエスだ。私は昔から『緊張しい』だった」

「みんなは私に、おそらく私がもうできないようなことを期待しているのだろう。私としては、監督や、ほかのチームメートたちのそうした期待をなんとかしなくてはならない」

 1度目の現役時代にPKの名手として知られていたピアースは、新しいクラブでもPKを蹴るつもりかと問われると、「重要なのは、私がキャリア通算99ゴールを決めていて、今も100ゴール目を狙っているということだ。PKスポットは得点には絶好の場所じゃないか」と答えた。

 イングランド代表で78キャップを誇るピアースだが、キャリアの出発点はノンリーグのクラブ、ロンドン(London)北西部のウェルドストーンFC(Wealdstone FC)だった。

 ピアースは、そこで得た経験がかけがえのない財産になっていると話している。

「私はアマチュアで250試合プレーして、それからやっとプロ選手になる機会を得た。私にとっては最高の経験だったし、ああいう道のりをたどれてよかったと思っている。いきなりプロクラブに入って、期待の新星として若い時期を過ごさなくてよかった」

「私は多分、キャリアで一緒にプレーしてきた選手たちと比べて、だいぶ地に足がついていたと思う。プロになる前の仕事は電気工で、職場は何年も倉庫の中だった。だからつらい道のりだったが、楽をするよりよかったと思っている」

 ロングフォードを率いるニック・ドウ(Nick Dawe)監督は、「われわれは本物の左サイドバックを探していた。だからスチュアート・ピアースはうってつけの人材だ」と話した。

「選手の士気も大いに高まるだろう。今季のチームは苦労してきたが、少なくともこれからは、明るい気持ちでプレーできるはずだ」

 ピアースはイングランド代表として、1990年のW杯イタリア大会でチームの4強入りに貢献。母国開催だった1996年の欧州選手権でも、同じくベスト4入りしたチームの一員としてプレーした。

 クラブレベルでは、ノッティンガム・フォレストのほかにコベントリー・シティ(Coventry City)、ニューカッスル(Newcastle United)、ウェストハム(West Ham)、マンチェスター・シティでプレーし、引退後は指導者の道へ進んだ。(c)AFP