【1月29日 AFP】中国当局は、2014年に身柄を拘束していたカナダ人男性を、スパイ行為と国家機密窃盗の罪で起訴した。中国国営新華社(Xinhua)通信が28日、伝えた。

 起訴されたケビン・ギャラット(Kevin Garratt)さんは2014年、北朝鮮との国境沿いの中国北東部・丹東(Dandong)で妻と共に拘束された。妻は後に保釈されている。夫婦はともにキリスト教徒で、拘束される前は丹東市で喫茶店を営み、北朝鮮に対する人道支援活動に従事していた。

 中国の「国家機密」の定義は非常に広い。また北朝鮮は、キリスト教の布教活動を強く警戒しており、布教活動を行う人々を厳しく罰している。

 同夫婦が拘束される1週間前、カナダ政府は中国からハッキング攻撃を受けたと発表しており、夫婦に対する捜査はカナダ政府への報復だと非難する声も上がっていた。

 中国では昨年7月に中国国家安全法が施行され、そのあいまいな内容から、市民社会への弾圧に利用されることを懸念する声が人権団体から上がっていた。また、中国は今回のカナダ人夫婦の他にも、外国人が治安当局との対立により身柄を拘束される事例が相次いでいる。(c)AFP