【1月28日 AFP】フランス・パリ(Paris)のシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle International Airport)で、米国からチュニジアに宛てた米運輸大手フェデックス(FedEx)の配送荷物から爆発物とおぼしき物体が見つかる騒ぎがあった。その後、在チュニジア米大使館での治安訓練で使う「模擬爆弾」と判明し、フェデックス社員らは激怒している。

 フランス最大の労働組合連合「フランス労働総同盟(CGT)」に加盟しているフェデックス労組の代表が28日に明らかにしたところによると、米国からシャルル・ドゴール空港を経由してチュニジアに配送される貨物の中から、ねじやボルトが大量に詰められた圧力鍋が見つかった。

 他の配送物も調べてみたところ、同様の「装置」が複数出てきたほか、起爆装置らしきものも発見。そこで、フェデックスの従業員が当局に「差し迫った危険」を通報し、駆け付けた捜査員が爆発物探知犬やX線検査装置を用いて調べる騒ぎとなった。

 空港保安当局筋によると、結局、問題の装置は在チュニジア米大使館宛てに送られた模擬爆弾で、大使館で行われる治安訓練に使われる予定だったことが判明したという。

 関係筋はAFPの取材に、「こうした物品の配送は異例だが、これまでもあった。今回初めて荷物が開封されたというだけだ」と述べた。

 だが、フェデックス社員らは、犠牲者130人を出した昨年11月のパリ同時テロをうけて厳戒態勢がとられている中で、模擬爆弾を空輸して訓練を行うのは「無責任」だと非難。こうした配送物がフランスを経由するのは禁止すべきだと訴えている。(c)AFP